真人とは
「人間」への負の感情から生まれた呪霊
真人(まひと)は、人間が「人間」に向ける負の感情から生まれ落ちた呪霊です。
漏瑚や花御、陀艮らと行動を共にしており、首魁として行動指針を決める役割を担っており、宿敵として主人公 虎杖悠仁の前に立ちはだかりました。
また、真人の持つ生得術式「無為転変」は悪役らしい残虐な効果を持っており、本人の性格や作中での術式の運用方法も相まって、”理想的な敵キャラ”という印象です。
そんな真人について、まずは来歴から見ていきましょう。
来歴
「幼魚と逆罰」編
非術師の少年 吉野順平と出会った真人は、彼をおもちゃとして用いることに決め、しばらく行動を共にすることにしました。
親しげに話す様子も描写された2人ですが、真人が順平に情を抱くことはありません。
やがて「宿儺の器」虎杖悠仁が順平と仲を深めると、真人は順平を餌に両面宿儺を顕現させようと考えました。
虎杖に宿儺を呼ばせるため、順平を”改造人間”に変えてしまった真人。
虎杖と真人の因縁はここから始まることとなります。
呪霊としてまだまだ戦闘経験の浅い真人は、虎杖や一級術師 七海健人との戦闘を経て徐々に成長。今編で早くも領域展開の習得に至っており、”特級呪霊”の名に恥じぬ高いポテンシャルが垣間見えます。
しかし、後述する事情で両面宿儺の逆鱗に触れてしまい、展開した領域が解除。虎杖・七海を始末できぬまま大量の呪力を失ってしまい、たまらず敗走することとなりました。
「京都姉妹校交流会」編
前編で宿儺との邂逅を果たした真人は、宿儺の復活に向けて動くことを決めました。
そのために彼らは、高専保有分を含む「宿儺の指」の回収に乗り出すことに。夏油の策によって、高専にある危険度の高い呪物が保管されている蔵(=忌庫)を突き止めた真人らは、高専の襲撃を目論見ます。
作戦の障害となる五条悟の対策として用いられたのは、”五条悟の侵入のみを拒む帳”です。この”帳”によって五条の動きを封じたうえで、花御や呪詛師らは陽動を担当。
真人は単身で忌庫に赴き、無事「宿儺の指」と「呪胎九相図 1-3番」の奪取に成功しました。
「宵祭り」編
京都校二年の究極メカ丸こと与幸吉(むた こうきち)から高専側の情報を得ていた真人は、対価である”「無為転変」による身体の治療”を施すべく、幸吉の根城にやってきました。
この取引は”縛り”のもとで成り立っているため、大人しく幸吉を治療した真人。
こうして互いに”縛り”を履行し終えた幸吉・真人は、単なる呪術師と呪霊の関係に逆戻りとなります。
幸吉は生きて京都校の皆に出会うため、真人は強者との戦闘のため、激しいぶつかり合いが始まりました。
幸吉が搭乗した「究極メカ丸 絶対形態」は、幸吉が”天与呪縛”によって縛られた17年にも及ぶ時を撃ち出すことが可能であり、その威力は特級クラス。
加えて、幸吉は「簡易領域」を絡めた攻撃を用いており、真人は想像以上に苦戦を強いられることとなります。
しかし、領域「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」を”見せ技”として用いて油断を誘い、最終的には真人が勝利。
幸吉の操る究極メカ丸との一戦は、真人にとって来たる渋谷事変本番に向けた肩慣らしとなりました。
「渋谷事変」編|五条悟封印
渋谷事変を迎えた真人は、五条悟の相手を漏瑚や花御に任せ、改造人間を量産。
作成した改造人間を地下鉄に乗せ、漏瑚と合流を果たしました。順調かに思われた呪霊側の作戦ですが、五条悟が”0.2秒の領域展開”を行ったことで状況が一変。
真人が連れてきた約1000体の改造人間は、299秒で鏖殺(おうさつ)されてしまいます。
そんな中、やってきたのは偽夏油です。喪ったはずの”親友”夏油傑を前に、五条の脳内では1分間の時間が経過。開門された獄門疆により、呪霊らは五条悟の封印に成功しました。
「渋谷事変」編|vs虎杖悠仁
渋谷事変にて、真人はついに虎杖悠仁と再会。
虎杖の魂を折るため、真人は分身体を用いることで釘崎野薔薇とも同時に戦闘を行います。
しかし、劇的に力を増した虎杖はかなりの難敵であり、また、魂に作用する「芻霊呪法『共鳴』」の使い手・釘崎は、真人にとって天敵ともいえる存在。
図らずも2人の天敵を同時に相手取ってしまった真人は、苦戦を強いられます。
そこで、大人しく逃走することに決めた真人。2体の分身体をスイッチすることで、虎杖と戦っていた術式を使える個体が釘崎に襲い掛かり、釘崎に対して「無為転変」を発動します。
釘崎を目の前で喪ったことにより、心の限界を迎えてしまった虎杖。
真人はそんな虎杖の姿を見て自身の「呪い」としての才に興奮し、そのままの勢いで「黒閃」をキメてみせました。
乗りに乗っていた真人でしたが、ここで東堂葵が登場し、虎杖を奮い立たせます。
「渋谷事変」編|最期
東堂の到着により、2vs1の状況となった真人。東堂の生得術式「不義遊戯(ブギウギ)」に惑わされ、不利な戦いを強いられる真人でしたが、”0.2秒の領域展開”を用いることで状況をひっくり返します。
また、真人は「黒閃」を成功させたことによって自身の”魂の本質”の理解に至っており、真の姿である「遍殺即霊体(へんせつそくれいたい)」に変身。
虎杖との最後の戦いを始めます。
互角の展開が続いていたものの、東堂の「不義遊戯」発動フェイクによって崩された真人に、虎杖の「黒閃」が直撃。
虫の息となった真人は偽夏油に取り込まれ、この世を去りました。
真人の術式・能力
生得術式「無為転変」
真人の生得術式「無為転変(むいてんぺん)」は、掌で触れた相手の魂に干渉することが出来る術式です。
真人曰く人体は常に魂が先行しており、魂の形をいじれば人体を変形させることが可能とのこと。したがって、「無為転変」を用いれば、人間を異形へと変貌させることはもちろん、呪力を持たせることすら可能です。
「無為転変」によって呪霊のように変貌させられた「改造人間」は、渋谷事変を含む多くの場で用いられ、呪術師を困惑させました。
また、真人自身の魂の形を変形することにより、多彩な攻撃を仕掛けることも可能となっています。
多重魂
「多重魂(たじゅうこん)」は、複数の魂を融合させる技です。「多重魂」を使用居た場合、魂には拒絶反応が発生。この拒絶反応によって”魂の質量”を爆発的に高めることで、攻撃技「撥体(ばったい)」に派生します。
幾魂異性体
「幾魂異性体(きこんいせいたい)」は、前述の「多重魂」によって作られた改造人間であり、拒絶反応が微弱であった魂達の姿です。
通常2-3級程度の強さしか持たない改造人間ですが、「幾魂異性体」は複数の魂を一瞬で燃やし尽くすことによって、爆発的なパワーを引き出すことが出来ます。
遍殺即霊体
「遍殺即霊体(へんせつそくれいたい)」とは、自身の魂の本質を理解した真人の”真の姿”です。
以前の真人とは比べ物にならないほどの性能が向上しており、強度や攻撃力などあらゆる点が異次元のそれへと昇華。
加えて、「両肘のブレード以外は変型しない」という”縛り”を用いてさらに強度が底上げされており、「黒閃」以外の攻撃では有効打とならないようです。
無為転変と虎杖
真人の「無為転変」は、前述の通り触れた対象の”魂”に干渉する術式です。
裏を返せば”触れた対象の魂に否応なく接触してしまう術式”であり、虎杖悠仁に用いた場合、彼の身体に宿る「両面宿儺の魂」にも触れてしまいます。
自身の魂に触れられるという行為は、宿儺にとっては不快そのもの。
手痛い反撃を食らいたくない真人としては、”虎杖悠仁には「無為転変」を用いない”という選択肢を取るほかありません。また、それに伴って、術式効果が必中となる領域展開についても、虎杖悠仁相手には使うことが出来ません。
領域展開「自閉円頓裹」
真人は他の特級呪霊らと同じく呪術の極致に達しており、領域「自閉円頓裹(じへいえんどんか)」の展開が可能です。
領域の持つ必中効果によって「無為転変」が対象に必中。すなわち、「自閉円頓裹」に取り込まれた人物は、文字通り真人の掌の上です。
そんな領域の凶悪さにより、作中では五条の「無量空処」と並ぶ”取り込んだ時点で勝ちが確定する領域”として語られています。
0.2秒の領域展開
五条の”0.2秒の領域展開”を受けて編み出した、真人なりの”宿儺対策”です。
前述したように、両面宿儺の魂を宿す虎杖に「無為転変」を用いることは出来ません。術式効果が必中となる「領域」の使用など本来は論外ですが、真人は領域の効果時間を”0.2秒”に絞ることにより、宿儺の不興を買わずして「無為転変」を用いて見せました。
一度見ただけで”0.2秒の領域展開”を我が物とした真人のポテンシャルには、目を見張るものがあります。
黒閃
「黒閃(こくせん)」とは、”打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間”に起こる黒い火花の名称であり、黒閃発動時のインパクトは平時の2.5乗の威力に跳ね上がります。
呪術師側では五条や七海、虎杖などが経験している「黒閃」ですが、呪霊がキメたのは(作中では)初めてのこと。真人が元来有していた高いポテンシャルによって為し得た芸当でしょう。
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