呪術廻戦 15巻の概要
15巻のあらすじ
宿儺による大量殺人、七海建人の死…そして真人の手にかかり釘崎までも――!! 自らの罪の重さに虎杖の心が限界を超えたその時、親友の危機にあの男が駆け付ける。虎杖と真人、呪い合う両者の終着点とは…!?
15巻の要約
・新田新の術式が回復系だと判明
・東堂は右手を失う
・ミニメカ丸は動かなくなる
・真人は偽夏油の呪霊操術により取り込まれてしまう
収録は125話〜133話
呪術廻戦15巻は、125話から133話の計9話が収録されています。
収録話一覧
- 125話「あの子の話」
- 126話「渋谷事変㊸」
- 127話「渋谷事変㊹」
- 128話「渋谷事変㊺」
- 129話「渋谷事変㊻」
- 130話「渋谷事変㊼」
- 131話「渋谷事変㊽」
- 132話「渋谷事変㊾」
- 133話「渋谷事変㊿」
呪術廻戦 15巻のあらすじ前編
125話 あの子の話
真人の手のひらに触れた釘崎の親友の回想から15巻は始まります。
釘崎の親友であるふみは、釘崎と同い年で片田舎に住んでいました。
そこには、ふみと同じで都会から引っ越してきた年上のお姉さんである沙織がいましたが、沙織はあまり外に出ない人でした。
ふみは疑問に思っていました。
ですが、ふみは小さかったのであまり気にせずに沙織と釘崎と遊んでいましたが、ある時気付いてしまいます。
沙織の家の様子はどんどんおかしくなったのです。
家の前にはゴミが捨てられていたり、落書きがあったり、人為的な雪の山が家の前にあったりしました。
そう、田舎社会に合わせることができなかったために、沙織たちは村八分にされたのです。
それから沙織は引っ越してしまい、野薔薇も高校に上がる時に東京に引っ越してしまいました。
「次会う時は3人で!!」
釘崎が東京に行くときにふみに言った言葉。
釘崎は記憶の中で約束を果たせないことをふみに謝ります。
次に釘崎は虎杖たち――東京校の皆のことも思い浮かべます。
釘崎はおかしい奴は声が大きく土足で他人の人生を踏みにじるものだと思っていましたが、東京校のみんなは違った。
東京校のみんなは変人でしたが、いい人たちだった。
「虎杖、皆に伝えて。悪くなかった!!」
釘崎は近くにいる虎杖に、そう伝えました。
126話 渋谷事変㊸
床に倒れたまま動かない釘崎。
左の目玉が取れていて、血液もたくさんでている。
虎杖の心はもう限界を超えていました。
宿儺による大量殺人、七海の死、そして動かない釘崎……
虎杖は震えと涙が止まらなかった。
自然に零れ落ちる涙は、全てを消し去りたいという想いが積み重なった結果。
虎杖は放心状態で釘崎の名前を呼びますが、真人のパンチが虎杖にヒットする。
黒閃。
真人はこの惨劇を引き起こしたことにより、呪いとして成長していた。
真人は続けざまに攻撃する。
真人からすると、一連の出来事は人間と呪いの戦争。
100年後に笑っているのは誰か、というような戦争。
真人は床に倒れている虎杖に問い掛けます。
「なぁ虎杖悠仁。殺した呪いを数えたことはあるかい?」
人間が呪いを殺すことを躊躇わないように、呪いも人間を殺すことに躊躇はない。
真人は虎杖に止めを刺そうと、カマキリの鎌のような右手を振りかぶります。
「パンッ!」
そこに登場する東堂と新田新(にったあらた)。
新田新は補助監督である新田明の弟で、回復系の術式を使えます。
なので、新田新は釘崎の処置をしていました。
ですが、新田新から見た釘崎の状態は悪く、釘崎が死んでいる可能性が高いようです。
127話 渋谷事変㊹
東堂は虎杖に立ちあがるように言いますが、虎杖は立ち上がることができない。
呪いが活性化するのは宿儺が目覚めたからで、宿儺の器がいるから人が死ぬ。
信念だった『人を助ける』ということは、処刑にならないための言い訳だったという虎杖。
そんな弱気な虎杖を殺そうと真人はもう一度カマキリの鎌を向けるが、東堂の術式である不義遊戯(ぶぎうぎ)によって位置を変えられる。
東堂は諭すように虎杖にもう一度話しかけます。
「オマエは何を託された?」
東堂は呪術師という道を選んだ時点で『罪と罰と言う因果』には収まりきらない道を選んでいるという。
つまり、生涯をかけて呪いと戦わなければいけない呪術師に求められていることは、呪術師として呪いと戦う事だけ。
東堂の言っていることは、126話で真人が虎杖に言ったことと同じだと思います。
だから、死に意味や理由を見出すのは、時に死者の冒涜となると言います。
「オマエは何を託された?」
そういう世界で、屍から虎杖は何を得たということを問い掛けた東堂。
呪術師としての罰とは、その答えが出るまで足を止めないこと。
東堂はそういうと、真人と再び戦います。
虎杖はというと、新田新に術式を施されていました。
新田新の術式は、受けた傷を悪化させないようで、出血も止まり、痛みも和らぐようです。
虎杖は東堂と共闘することになります。
128話 渋谷事変㊺
虎杖の魂のHPは残り1割ほど、東堂の魂はワンタッチでは厳しい。
そんな真人の魂のHPは4割ほど。
真人は、まずは厄介な東堂から倒すことを決意するが、東堂は無生物と位置を入れ替えることにより回避。
さらに、東堂は圧倒的なセンスで虎杖と同じように黒閃を覚えると、黒閃で真人を攻撃する。
しかし、どんなに強烈な一撃でも、東堂の攻撃は真人には効かない。
真人を倒すには魂に響くような攻撃をしなければいけないからだ。
ではなぜ虎杖は攻撃できるのか?
虎杖は宿儺を宿しているので、魂の形を無意識に知っています。
なので、魂に攻撃できるようです。
話しを戻します。
真人は多重魂撥体 (たじゅうこんばったい)により、全方位の範囲攻撃を行います。
それによって、入れ替えしても無意味な状況になります。
一方その頃、三輪たち京都校のメンバーは渋谷に向かっていました。
新幹線の中で三輪はミニメカ丸に怒ります。
「なんで東堂先輩と新田君だけ……」
三輪たちが渋谷に居なかったのは、ミニメカ丸が京都校のメンバーが京都以南の任務に就くように細工をしたためでした。
なので、三輪は怒りますが、メカ丸は「そういう次元の話しじゃない」と言います。
三輪は弱いから京都以南の任務に就くようにしたのかとミニメカ丸に言いますが、メカ丸はまたしても否定します。
「弱いのは俺ダ」
ミニメカ丸はやり方を間違ったことを後悔していました。
どんな世界になろうと大好きな三輪を守ればいいと思っていました。
そんなことを三輪に話すメカ丸でしたが、時間が来ます。
「幸せになってくれ」
ミニメカ丸が再び喋ることはありませんでした。
129話 渋谷事変㊻
再び虎杖・東堂と真人の戦いに戻ります。
全方位範囲攻撃を無事に乗り越えた東堂と虎杖は、不義遊戯を使って巧みに攻撃します。
対する真人は多重魂、『幾魂異性体(きこんいせいたい)』と言う改造人間を繰り出します。
この幾魂異性体とは、多重魂による拒絶反応が微弱な魂たちが混ざり合い、体を成す改造人間の事です。
話しを戻します。
本来、改造人間の等級は2~3級なので、東堂は舐めてかかってしまいました。
幾魂異性体は東堂を強烈な力で吹っ飛ばしますが、センス抜群の東堂は立ち上がる。
東堂は幾魂異性体に一発お見舞いすると、死んでしまいます。
実は、幾魂異性体は超攻撃型改造人間で、防御力は普通の改造人間と同じなのです。
東堂は残りの2体をサクッと倒すと、真人と戦っている虎杖のところへ戻ります。
再び不利になった真人には領域展開という手段しか残されていませんでした。
しかし、領域を展開すれば宿儺に触れてしまい殺されます。
真人は悩みますが、領域を展開する決断をします。
『0.2秒の領域展開』。
130話 渋谷事変㊼
宿儺の逆鱗に触れないギリギリのライン。
一か八か。
0.2秒の領域展開。
五条が0.2秒の領域を展開したところを見た真人は、勘で0.2秒間だけ自閉円頓裹(じへいえんどんか)を展開します。
真人は、呪霊の中では五条級の天才ですね。
東堂が九十九由基直伝の簡易領域を展開するよりも早く、虎杖が真人を祓うよりも早くに術式を発動した真人は一か八かの賭けにも勝ちます。
宿儺は真人を殺しませんでした。
そして、無為転変により、東堂は右手を失います。
左ひざをつく東堂の腹部に真人は黒閃をかます。
だが、東堂は死なない。
東堂は山勘で全呪力を腹部に集中させてダメージを最小限に抑えました。
吹っ飛ぶ東堂に、真人は無為転変で止めを刺そうとします。
だが……
東堂は真人の右手と自らの左手を使い、両者の位置を入れ替えます。
隙ができた真人の顔面を殴ることは容易い。
虎杖は黒閃で真人の顔面を殴ります。
圧倒的優利な虎杖でしたが、真人は今までの戦いで得た知識を吸収して真の真人に生まれ変わろうとしていました。
無為転変、『遍殺即霊体(へんせつそくれいたい)』。
131話 渋谷事変㊽
遍殺即霊体。
真人は自らの魂の本質を理解したことで、生まれ変わりました。
しかし、まだ完成形ではないと言う。
虎杖を殺すことで、完璧な姿でこの世に生まれ堕ちると考えている真人は、体術で互角の戦いを繰り広げます。
もう虎杖の攻撃は真人には効かない。
呪霊として変身前とは別次元の存在となった真人。
そんな真人に勝つ為には最大呪力の黒閃をぶつけるしかないが、黒閃は狙って出せる術師は存在しない。
それでもやるしかない。
虎杖は震える足を何度も殴り、心を落ち着かせる。
132話 渋谷事変㊾
真人は虎杖が黒閃を出せる状況だと思っていました。
なので、真人は対策を講じていました。
サイズ変形でミートをずらし、遍殺即霊体を解いた部位を呪力で保護。
そしてカウンターで虎杖の首を落す。
そう考えていた真人でしたが、虎杖が出した技は黒閃ではなく逕庭拳(けいていけん)でした。
逕庭拳とは、打撃の後に呪力が肉体にダメージを与える技。
真人は驚きますが、それだけではない。
東堂は魂の喝采――左手と切り落とされた右手の付け根を合わせます。
それを見た真人は警戒しますが、入れ替わっていない。
頭がいい東堂は隙を作り出すために、魂の喝采を行いました。
その隙を虎杖は見逃さない。
虎杖は黒閃を真人の顔面にぶちこみます。
吹き飛ばされた真人は、通常の真人に戻っていました。
嘔吐する真人に虎杖は「認めるよ真人」と言います。
虎杖はようやく126話で真人が言っていたことの意味が分かりました。
錆びつくまで呪いを殺し続けるのが、呪術師としての役割。
虎杖の決意が宿る瞳をみて、真人は逃げだします。
今の状況は鷹と兎で、真人が狩られる側。
足を怪我しているためか、膝をつき、手を使い進む真人。
そんな真人は必死に逃げようとしますが、目の前には狼が立っていた。
「助けてあげようか真人」
偽夏油傑は慌てている真人にそう言います。
133話 渋谷事変㊿
偽夏油を見た虎杖は、夏油の元へ近づきます。
虎杖は五条悟を返して欲しかった。
運動神経抜群の虎杖なので、転ばず辿り着けるはずですが、転んでしまう。
偽夏油は呪霊操術を使って、虎杖に奈落の底へと繋がるような穴に落ちたと錯覚させていました。
準1級以上の呪霊を複数使役している偽夏油は、今度は黒い手のようなもので虎杖を攻撃します。
もちろん、術式の仕組みがわからないので虎杖は対処することができない。
呪霊操術はポテンシャルがある術式。
偽夏油曰く、1年前の新宿・京都百鬼夜行で戦力を新宿と京都に分散させていなければこの能力を持つ夏油は乙骨にも勝っていたという。
そんな偽夏油は、攻撃を喰らっても死なない虎杖に対して興味深い言葉を言います。
「我ながら流石と言うべきか。宿儺の器タフだね」
この言葉は感想と考察で取り上げます。
偽夏油はそう言うと、真人を取り込むのだった。
少し時間を遡ります。
漏瑚が出した巨大な隕石の範囲内にいた日下部とパンダは生きていました。
そんな日下部はパンダにこう言います。
「五条が消えて今後虎杖にどんな処分が下ろうと俺が虎杖側につくことはない」
以上で、15巻の内容は終わりです。
呪術廻戦 15巻の考察と感想
15巻で起こった出来事のうち気になる点をピックアップしていきます。
東堂のセンスの良さは高専一
ファンブックにより明らかになったことですが、高専の生徒の中で一番センスが良いのは東堂です。
2位は伏黒。
3位は乙骨と与幸吉(完治)
なので、このグラフを見ると東堂の伸びしろがまだまだあるとわかりますね。
なぜなら、15巻で黒閃を覚えたばかりなのですから。
筆者は東堂が大好きなので、今後の東堂に期待したいです。
日下部は間接的に虎杖側につく
ここからはネタバレになるので、注意してください。
147話で明らかになることですが、日下部は高専側によって囚われていたパンダを逃がします。
日下部は夜蛾学長に恩があったので、恩返しとして、その子供であるパンダを助けたのです。
しかし、日下部が言った「五条が消えて今後虎杖にどんな処分が下ろうと俺が虎杖側につくことはない」という言葉とは矛盾していますね。
直接的に助けていないとしても間接的に仲間であるパンダを逃がしたのですから。
言い換えれば、日下部は裏切り者になります。
なので、日下部の今後の展開が少し分かってしまいますね。
もしかしたら、日下部が逃がしたことがバレて死亡あるいは虎杖側につくこともあるかもしれません。
また、147話ではパンダがなぜ生まれたのか説明されていますので、気になる方がいれば147話のネタバレ考察を見ていただければと思います。
偽夏油は虎杖を作り出したのか?
偽夏油は「我ながら流石と言うべきか、宿儺の器、タフだね」と言いますが、生みの親のような発言ですよね。
2021年5月現在、偽夏油が虎杖を作り出したと張本人だと確定はしていないのですが、ほぼ確定です。
根拠は、上の記事の『東堂の脳内に溢れだした記憶』という項目を見ていただければと思います。
次巻のネタバレはこちら
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