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哲学的な作風がクセになる漫画「ミステリと言う勿れ」について魅力を解説

今話題の漫画「ミステリと言う勿れ(なかれ)」の面白さを解説。なぜ人気なのか、なぜヒットしたのか、どこが面白いのかを考察しています。

ミステリと言う勿れとは?

大学生が主役のミステリ漫画

ミステリと言う勿れの6巻画像

大学生の主人公「久能整」が優れた観察眼と本質を突く圧倒的トーク力で、次々に起こる事件の真相を暴いていく、いわば「探偵モノ」のミステリ漫画です。

タイトルから分かるように正統派のミステリーではありませんが、既存のミステリ漫画にはない新感覚なストーリーが魅力です。

月刊flowersで連載中であり、漫画大賞2019にも選ばれた今話題の作品です。

そこで今回は、ミステリと言う勿れがなぜ人気を博しているのかを解説していきたいと思います。まずはあらすじをご紹介します。

ミステリと言う勿れのあらすじ

そんなつもりは全然ないのに、なぜか物事の本質をあぶりだしてしまう謎の青年・久能 整がさまざまな事件を解決…!?

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「ミステリと言う勿れ」が面白い3つの理由

主人公「久能 整」の哲学的な語り口

人の数ほど真実があると言う整

この作品最大の魅力は、主人公「久能整」の繰り出す本質的なトークと論理的な思考です。

ミステリー作品なのでもちろん事件の推理はしますが、事件の最中に出会った人物の悩みに寄り添い、多角的な視点からアドバイスを教示することも多々あります。

整の悩みを和らげていくようなアイデア・考え方には、目から鱗が落ちます。

・なぜ娘は反抗期になるのか
・なぜ組織に女性がいるべきなのか
・なぜ日本人男性は育児を手伝わないのか.etc…

これらの問いに、哲学的な持論を披露する整。彼の話を聞いた人たちは、警察官であれバスジャック犯であれ、いつの間にか話に釘付けになってしまうのでした。

いつの間にか彼のトークの虜になって、前のめりになって読んでしまう。それがこの漫画最大の魅力でしょう。

読者の価値観に訴えかける事件設定

バスジャックの画像

行く先々で事件に巻き込まれる久能整。事件は、バスジャックや血生臭い遺産相続の殺し合いなど多岐に渡ります。

そして事件を通して描かれる題材は、人から尋ねられた際に回答に戸惑ってしまうようなことばかり。例えば1巻で描かれるのは、「なぜ人を殺してはいけないのか」というテーマです。

自分が犯人の立場ならどう考えるのだろう、当たり前だと考えていたけど実際は何が正しいのだろう。そう言った価値観の再構築を読者に迫る展開が、この作品の魅力の1つです。

真面目なだけじゃない!笑えるシーンも多数

娘の反抗期について話す整

何事に対しても理屈っぽく話し、その場の空気を読めない発言を多々する久能整。周りの人とのギャップに、思わず笑ってしまうことも多いです。

ミステリーというだけあって、基本的には緊張感のある空気が流れる世界観。そこであえて飛び出す面白発言は「ガキ使」に通ずる部分があります。

バスジャックに遭っているのに美術展に行きたいと言ったり、取り調べ中に警察官の家庭の話をしたりと、話を脱線することもしばしば。

もちろん「ギャグ話が入らない方がテンポが良いのではないか?」と思う方もいるかもしれませんが、笑い要素がなければこの漫画は重苦しいだけになっていたと思います。

ミステリ漫画でありながら、ギャグ要素で読者の緊張感を緩和する。素晴らしい構成の漫画です。

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(C)田中 由美
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